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「何歳から年金はもらえるのでしょうか」

(2014年7月115号のニューズレターからの掲載)

これまで短い加入期間でも日本の年金が受給できること、米国籍でも受給条件を満たせば日本の年金を受け取れることを説明して参りました。今回は何歳から日本の年金は受け取れるのかをお話します。本来は、公的年金(国民年金、厚生年金、共済年金)の支給開始年齢は65歳からです。ただし、現在、国民年金(自営業、無職の方)は65歳ですが、厚生年金(会社勤務の方)や共済年金(公務員の方)は経過措置として60歳から支給開始となっています。

厚生年金の経過措置について説明します。現在1年以上加入している方は、60歳から支給されていますが、生年月日により徐々に65歳支給に移行されます。加入期間が1ヶ月以上1年未満の方は65歳から支給開始となります。

具体的には、昭和16年4月1日以前に生まれた方は原則どおり60歳からですが、昭和16年4月2日以降に生まれた方は支給開始時期が生年月日により段階的に遅れ(繰り下げられ)、いずれ65歳から支給開始となります。

厚生年金は定額部分と報酬比例部分により構成されていますが、まず、定額部分の支給開始年齢の遅れ(繰り下げ)が昭和16年4月2日以降に生まれた方から順次始まり、昭和24年4月2日以降に生まれた方からは定額部分は65歳から支給開始となります。次に報酬比例部分の支給開始年齢の遅れ(繰り下げ)が昭和28年4月2日以降に生まれた方から始まり、昭和36年4月2日以降に生まれた方からは年金は定額部分、報酬比例部分共にすべて65歳支給開始となります。以上は男性の支給開始年齢ですが、女性については男性の年齢よりそれぞれ5年遅く支給開始の繰り下げが始まります。

今回は少し複雑でしたが、ご自身に当てはめて考えると分かり易いと思います。

一方、米国年金の場合は誕生月が1937年以前の方は、65歳から支給されますが、誕生月がそれ以降の方は、少しずつ先になります。例えば誕生年が1943年から1954年の方は66歳からとなり、最終的には誕生年が1960年以降の方は67歳から支給となります。又、標準退職年齢以前に年金受給を開始したい場合は減額を覚悟すれば、最大62歳から受け取ることができます。最初の36か月の繰上げ退職月に対しては、繰上げ月数×5/9%の減額。それ以前の繰上げ退職月に対しては、繰上げ月数×5/12%の減額です。つまり3年早めれば20%の減額、5年早めれば30%の減額となります。

日本の年金も65歳から支給開始となる方でも、受け取りを60歳以降に繰上げて受給することができますし、また、逆に65歳から支給される年金を70歳になるまで受給を遅らせて受け取ることもできます。次回ご説明いたします。

海外年金相談センター 市川俊治 http://nenkinichikawa.org
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米国籍でも日本の年金はもらえますか

礎ニューズレターにも掲載しております海外年金相談センターの市川氏の記事を礎ウェブサイトでも掲載致します。半年ほど遡りますが第1号から順次掲載致します。

米国籍でも日本の年金はもらえますか

前回は、短い加入期間でも日本の年金が受給できる「幸せの方程式」の説明をしました。今回は「米国籍でももらえますか」という質問にお答えします。

結論から言えば、受給条件さえ満たせば、国籍に関係なく、米国籍でも日本の年金を受け取ることが出来ます。

日本の年金を受け取るには、国民年金・厚生年金・共済年金の加入期間の合計が原則25年以上ある必要があります。25年に満たない方は受給資格を得るために2つの方法があります。まず第1に、「カラ期間」又は「米国年金加入期間」を活用して受給資格をクリアーする。第2に、「国民年金」へ加入(日本国籍の方に限られます)して、年金額を増加し受給資格を取得する方法です。

その際、①米国年金の加入期間を活用して日本の年金を受給する方であれば、いつ米国籍に変更しても問題ありません。しかし②カラ期間を活用して日本の年金を受け取る方は、日本の保険料納付期間とカラ期間の合計が25年以上の受給条件を満たすまでは日本国籍のままでいる必要があります。

具体例でご説明します。

A子さんは日本で5年間働いて、40歳の時米国に移住しました。A子さんが年金を受給する為には加入期間が20年(=25年―5年)不足していますので、それをクリアーする為に、カラ期間(20歳から60歳までの間に日本国籍で海外に在留していた期間)を活用する場合を考えてみます。

A子さんが米国で勤めることなく例えば55歳のとき米国籍を取得した場合は、カラ期間は15年でストップしてしまいます。その為、A子さんは55歳で国籍変更をせず、60歳以降に国籍の変更をすればカラ期間20年以上が確保され、加入期間は5年+20年=25年となり、年金の受給資格を取得できることになります。

尚、A子さんは55歳で米国籍を取得した場合でも、その後新たに働くことによりSSTaxを支払い米国年金の加入期間5年以上を確保すれば、同様に年金の受給資格を確保できます。

最後に、前回の説明でふれた「カラ期間」(=合算対象期間)について問い合わせを頂きましたので説明いたします。

年金などの受給資格期間をみる場合に、期間の計算には入れるが、年金額には反映されない期間のことです。年金額に反映されないため、いわゆる「カラ期間」と呼ばれています。カラ期間には、(1)昭和61(1986)年3月以前に、国民年金に任意加入できる人が任意加入しなかった期間、(2)平成3(1991)年3月以前に、学生であるため国民年金に任意加入しなかった期間、(3)昭和36(1961)年4月以降海外に日本国籍で住んでいた期間、などがあります。いずれも20歳以上60歳未満の期間です。

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